柳橋 十八番

毎晩の酒で塩分が不足気味。
夏になると必ず十八番のニラソバが喰いたくなる。
塩分過多の飯。
今日の昼飯は珍獣とソプラノ。
ソプラノは最近プライベートで変貌が有った。
なので良く俺等と飯を喰いに行く。
ソプラノが今日は美味いラーメンを食べたいそうだ。
俺はラーメン気分ではない。
と言う事は間取って中華料理屋かな？
中国人経営の中華で美味いラーメン屋は皆無。
日本人の店か〜。
やはり十八番しかない。
早速人の流れとは逆の柳橋方面に。
近づけば近づく程人が居なくなる。
でも十八番はほぼ満席。
大したもんだよ。
特に喰いたい物が無いのでメニューをガン見。
ソプラノには道中ニラソバの素晴らしさをを力説した。
「ニラソバと半チャーハンで！」とソプラノ声で。
見事俺のプレゼンが通った。
あっ！でも俺は違う物頼むよ。
隣りの親父がソース焼そば半チャーハンを食べている。
おじさんも炭水化物好きだね〜。
じゃぁ俺もそれで！
その後は厨房を着目。
忙しい時はほぼ１００％店主がそのお母さんらしき人にどやしつけるのが見れる。
お婆さんは推定８０歳。
カウンターしか無いこの店で、水を運んで来る時も注文を取りに来る時も能の様な歩き方。
顔も無表情。
必ず店主に手際の悪さをどやされるが無表情。
静かなる事林の如し。
その傍ら店主の鍋捌きは早き事は風の如く。
相反してるわ。
半チャーハンから来た。
我慢出来ないので先に頂く。
美味いね〜。
米には味が殆ど無く、具に味がたっぷりと。
これと一緒に喰うと炒められた米が１００倍美味くなる。
そしてソース焼そば。
テキ屋以外で店で頼むのは初めて。
やはりレベルが違う。
何だこのふんわりとした味は！
優しい味だな〜。
これをテキ屋が出したら行列もんだ。
ソースの酸っぱさも天板の熱さで吹き飛んでいる。
大盛りで良かったんじゃないかな？
滅茶苦茶美味いよ。
お会計時は客は俺等だけ。
柳橋の昼はこんなもんだろ。
店主は既に動かざる事山の如し。
今回「火」は無しね。